内閣府ほか主催のアルコール関連問題啓発フォーラム開催される。

 アルコール基本法が施行され、官側の主催で、2014(平成26)年11月12日ヤクルトホールで午後4時から開催されました。当同盟と当同盟傘下断酒修養会から参加しました。

プログラム概要と
要点
1) 開会挨拶    内閣府 佐々木薫氏 
主催は 内閣府・国税庁・文部科学省・厚生労働省・警察庁・国土交通省

2)講演「家族の気付き」   東ちづる氏 
父の依存症を見てきた体験などをベースに前半講演。 後半今成知美ASK代表との対談に切り替え。

3)当事者などによる体験談 東京断酒新生会 保坂 昇氏 
武蔵野市長谷川病院入院歴→現在断酒維持。

4)絵本朗読  「ボクのこと忘れちゃったの? --お父さんはアルコール依存症
--」 看護婦さん作の分かり易いもの。子供との絆維持が鍵。

5)当事者などによる体験談  村田陽子氏
 立教大学での酷いイッキ飲みの犠牲者の訴え。

6)市民団体、事業者、
学生などの取り組み紹介 ASK代表今成知美氏が司会
         〇イッキ飲み遺族のリレー一言など。 イッキのみアルハラ防止キャンペーン(サントリーがアルハラ防止協議会に早期から参画。)
         〇学生らによる NO IKKI !!  キャンペーン(新入生が安心してサークルへ)。東大主導の複数大学参加のダンスサークル出演。

     
フォーラム会場 ヤクルトホール  イッキのみ犠牲者親御さんの訴え  「アルハラ」を打ち出しの2000年以降収まったが
努力にも拘わらず2007年以降また増加が見られる 

7) 講演  松本 俊彦氏 「アルコールとうつ・自殺「死のトライアングル」を防ぐために」 酒害が自殺うつに及ぼす影響を大変明快に解説された。
   (国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
        〇働き盛りの男性の自殺者の主要原因は、アルコールと
(仕事の悩み飲酒に逃げ/うつになる。)借金/事業失敗である。
        〇通常飲酒者でも、酩酊から冷める時が非常に危険である。(自殺企画者が咄嗟に自殺実行に至ることが極めて多い。) 
        〇自殺者の21%はアルコール飲用者である。うつばかり強調、アルコールとの強い相関に関し、従来見過ごされて来た感が強い。
        〇アルコールを飲むと抗鬱剤が効かない。正しい知識を広め対処すれば自殺者数を減らせる。酒より専門医の抗鬱剤処方が勝る。






このようなようなフォーラムが官主催で開催されることは、昨年度のアルコール基本法制定・施行による賜物であり、意義深い。

 〇 今、現にアルコール依存症に陥った方々の治療と断酒会による維持は、最重要なテーマである。当同盟も断酒修養会を開いている。
 〇 現実に学生さんがイッキ飲みで命を落とさぬための啓蒙は必須である。
 〇 困難な道ではあるがアルコール基本法の真の目的は、酒害への認識を高め、飲酒節度が向上し、アルコール依存症に陥る方が減少することで   なければならない。フィンランドのように一足飛びに行き難いけれど、酒造界も酒税徴収額も個人の不便も共に痛みを分かち、真の目的に向かっ  て斯界皆さんが一致した努力が必要である。